旅のお供、スーツケース。長年使っていると本体にヒビが入ったり、キャスターが破損したりすることがあります。不要になったスーツケースは場所を取るため、できるだけ早く処分をしたいもの。そこで困るのが処分方法です。不要になったスーツケースは捨てる以外にも、下取りやフリマアプリに出すなど、さまざまな方法で処分できます。処分する際のルールなども交えて紹介します。
いらなくなったスーツケースを「捨てる」

不要になったスーツケースの処分は、粗大ゴミとして「捨てる」のがポピュラーな方法です。まずは捨てる際の処分の仕方について見ていきましょう。
自治体に回収依頼をする
スーツケースを捨てるときは、自治体に回収してもらうのが一般的です。スーツケースの場合は「不燃ゴミ」か「粗大ゴミ」のどちらかに分類されます。
自治体によって細かいルールは異なりますが、判断基準としては、本体がSサイズ以下でコンパクトなことに加え、布製でパーツごとに分解できるものは「不燃ごみ」として扱われることが多いようです。この条件に当てはまらないものは「粗大ゴミ」として扱われるのが一般的です。
粗大ごみに出す場合は、自治体ごとに定められたルールに従って出しましょう。
不用品回収業者に依頼をする
スーツケースと一緒に処分するものがあるときは、不用品回収業者に回収を依頼するのがおすすめです。手続きが必要な自治体回収の粗大ゴミとは異なり、手間をかけずに大量の不用品を一括で処分できるメリットがあります。電話やオンラインで見積もりや申し込みができる手軽さも魅力です。
ただし、不用品回収の専門業者への依頼となるため、費用は数千円から数万円と価格は高めです。業者によって差があるため、数社から見積もりを取り、比較してから依頼をしましょう。
スーツケースの「下取りサービス」を利用する
不要になったスーツケースを処分して新たに購入するなら、購入時に下取りに出す方法があります。それが、スーツケースの下取りサービスです。
イオンのスーツケース引き取りキャンペーン
イオンでは不要になったスーツケースの持ち込みと引き換えに、新しいスーツケースの購入時に割引特典やポイントが得られる「スーツケース引き取りキャンペーン」を実施しています。費用をかけずに処分できるため、とても人気です。引き取られたスーツケースは再利用やリサイクル品として活用されます。
ただし、イオンのスーツケース引き取りキャンペーンは不定期に実施されるため、事前の確認が必要です。最寄りのイオン店舗や公式サイトで最新の情報をチェックしてくださいね。
無印良品は限定店舗で下取りサービスを実施
無印良品では「MUJI to GO KITTE 丸の内店」限定で、キャリーケース1点購入につき1点無料回収を実施しています。ただし、対象のキャリーケースを購入した場合のみのサービスとなるため、購入前に確認するようにしましょう。
下取りサービスは、スーツケースの取り扱いもある家電量販店の「ヨドバシカメラ」や「ビックカメラ」でも過去に実施していましたが、現在の引き取り対象は家電のみとなっているようです。
また、一部のドン・キホーテでキャリーケースを下取りができるという口コミ情報もあるようですが、現在の実施状況は確認できませんでした。気になる方はお近くの店舗に問い合わせを。
トラベルブランド「Aww」ではリサイクルプログラムを実施
トラベルブランド「Aww(アウ)」では、Awwのスーツケースの購入者を対象に、不要になったスーツケースを回収し、リサイクルする「Aww Recycle Program(アウリサイクルプログラム)」を実施しています。
回収方法はオンラインで購入した商品に同梱された送り状に記入し、届いた際のダンボールに不要なスーツケースを入れて送付するだけ。送料はAwwが負担します。回収するスーツケースのブランドや形状は問わず、壊れたスーツケースも受け付けています。
回収したスーツケースは物資支援や、素材の再利用に役立てられています。
不要になったスーツケースを「売る」
近くに下取りサービスを実施しているショップがない場合は、リサイクルショップに買い取ってもらう方法もありますよ。処分費用がかからないことはもちろん、不要になったスーツケースを現金化できるのが最大の魅力。
買い取ってもらえるか不安なときは、オンラインなどで事前に査定をするショップもあるので活用してみましょう。また、無料または有料で回収サービスを実施しているケースも。
フリマアプリに出品する
不要になったスーツケースを現金化するなら、フリマアプリへの出品もおすすめ。メルカリやラクマなどのフリマアプリ、ヤフオクなどのネットオークションは、気軽に売り買いができる便利なツールです。
出品する際は、サイトの利用料や郵送料なども考慮して価格設定をする必要があります。傷や経年劣化など、スーツケースの詳しい状態を正しく明記することも忘れずに!
この他にも、スーツケースを「売る」手段として、地域のフリーマーケットに参加したり、地域密着型の掲示板サービス「ジモティー」を使ったりする方法があります。一般的なリサイクルサービスやフリマアプリと異なる点は、対面で商品を受け渡すこと。
商品を売りたい人と欲しい人がマッチングすれば、欲しい人が指定した場所まで取りに来るため、配送の手間がかかりません。対面での取引が不安な場合は、配送手続きでの対応も可能です。
スーツケースを「寄付」する

スーツケースを寄付したり、リサイクルしたりすることで、資源の有効活用につなげることができます。送料や梱包の手間はかかりますが、思い出の詰まったスーツケースを捨てずに新しい旅路につなげることで、サステナブル活動に貢献ができます。寄付を受け付けている団体をピックアップしました。
NPO法人 ワールドギフト
世界各地の孤児・貧困に苦しむ人々・農村等貧困層の方々・障害者・高齢者への支援を行っているワールドギフトでは、不要になったスーツケースなどの旅行バッグを回収。世界中で再利用し、支援活動に役立てています。
衣服も一緒に寄付できるため、不要になった服をスーツケースに入れて送ることができます。スーツケースのサイズによって手数料が変わるので、団体のサイトで確認してから寄付をしましょう。
日本鞄材株式会社
スーツケースのレンタル・修理・クリーニング・保管を主要ビジネスとする日本鞄材株式会社では、発展途上国にスーツケースを支援する「REUSE SUITCASE PROJECT事業」を行っています。
生活設備が整っていない発展途上国では、スーツケースが収納家具として利用しているとのこと。思い出の詰まったスーツケースが実用的に役立てられるなんて、とても素敵なことだと思いませんか?
旅行中に破損したときは空港の引き取りサービスが便利

旅行中や輸送時にスーツケースが故障したり、破損して不要になったりした場合は、空港が実施する有償の引き取りサービスが便利です。ただし、引き取りサービスを実施している空港は中部国際空港(セントレア)や関西国際空港などに限られています。サービスを希望する際は、必ず確認をしましょう。
一見、便利な空港のスーツケース引き取りサービスですが、その背景には不要になったスーツケースの放置や廃棄が増加している事実があります。回収の際に危険物でないことを確認する必要があることに加え、検査に最長約20分と手間がかかり、廃棄費用の負担も生じるなど社会問題に。
旅行中に不要なスーツケースが出た場合は、有償の引き取りサービスを利用するか、持ち帰って自分で処分するようにしましょう。
捨てない選択がサステナブルな社会につながる
スーツケースに限らず、自分にとっては不要なものでも、世界にはそれを必要としている人がいるかもしれません。壊れたスーツケースの処分には手間がかかりますが、どうせ手間をかけるのなら、捨てずに下取りやリサイクル、寄付をしたほうが気持ちが良いと思いませんか?その小さな一歩が、サステナブルな社会へとつながっていくことでしょう。
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