鉄瓶の錆びは「重曹で落とす」はNG!茶殻を使った汚れの取り方と基本のお手入れ方法

沸かしたお湯がなめらかな味わいになるとされる鉄瓶。でも、長く使い続けていると錆がつくことがあります。そのまま使い続けていいのか、取る方法はあるのか、気になる方も多いのでは?そこで今回は、鉄瓶の錆びの取り方、錆びを防ぐ基本のお手入れ方法を紹介します。

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鉄器で沸かした湯がおいしい理由

鉄瓶とは、安土桃山時代に茶の湯が流行した際に用いられていた茶釜をより使いやすくした、鋳物製の湯沸かしの道具です。一般的に、「注口」と「弦」がついたものを「鉄瓶」と呼びます。東北地方では「南部鉄器」と呼ばれ、伝統工芸品として国内外から高い評価を得ていることも知られています。

鉄器でお湯を沸かすと、鉄瓶の内部にミネラルやカルキが吸着したり、鉄分が溶け出したりすることで、まろやかで飲みやすくなります。また、湯を沸かす際に鉄分が溶け出すため、不足しがちな鉄分を補給できるメリットも。

鉄瓶についた錆、そのまま使っても大丈夫?

鉄瓶を使い続けていると、内側にサビがつくことがあります。そのまま使い続けても健康に影響はないのか、味に変化はないのか、気になりますよね。

鉄瓶の錆びには、サビ取りが必要なサビと、そのままでも大丈夫なサビの2種類があります。まずはその判断方法を見ていきましょう。

手入れが必要な錆びの判断方法

基本的に、鉄錆は水に避け出すことはないため、健康への影響はないとされています。ただし、次のような状態になったときは、錆びを取る必要があります。

鉄瓶でお湯を沸かした際、お湯が赤く濁っていたり、金属臭がする場合は錆び取りが必要です。鉄の腐食原因である赤サビが発生している恐れがあり、お湯の味に影響することがその理由。赤サビは家庭でも簡単に取ることができるので、安心してくださいね。

鉄瓶に錆がついたときの対処方法

お使いの鉄瓶に赤サビが発生した際のお手入れはとても簡単です。使用するのはティーバッグの緑茶のみ。緑茶に含まれるタンニンと錆びが反応し、黒サビへと変化。黒サビは鉄の腐食原因である赤サビを落ち着かせる効果も期待できるのだとか。その手順を紹介します。

緑茶を使った赤サビの取り方

用意するもの

・たわし
・緑茶(ティーバッグ)

手順

1
赤サビをたわしでこすり、洗い流す

鉄瓶の内側を優しくこすっていきます。赤サビがすべて取れなくても大丈夫です。

2
鉄瓶に緑茶を煮出す

鉄瓶に水を8分目くらいまで入れ、ティーバッグ2個を入れ、緑茶を煮出していきます。

3
約30分弱火にかける

沸騰したら弱火に落とし、お湯が吹きこぼれないようにふたをせず、火にかけます。

4
洗い流す

お湯が透明になるまで手順2から手順4までを繰り返します。お湯が透明になり、鉄の味がしなくなればOKです。

鉄瓶の錆び予防対策

緑茶を使って簡単に落とすことができる鉄瓶の錆びですが、そもそもなぜ錆びができてしまうのでしょう。その主な理由は次の3つ。

・水を入れたまま放置
・使用後、しっかり乾燥していない
・風通しが悪く、湿気が多い場所で保管している

このように、鉄瓶に水分が触れた状態を長く保っていることが錆びの最大の原因です。つまり、水分をしっかり取り除き、しっかり乾かすことで、特別なことをしなくても錆びを防ぐことができるというわけです。サビを再び発生させないための、日頃のお手入れは次の通り。

・空焚きをして水分をしっかり飛ばす
・風通しの良いところで保管する
・洗浄は軽くすすぐのみにする

空焚きは水分を飛ばしますが、空焚きをしすぎると鉄瓶が破損する恐れがあるため、やりすぎには注意をしましょう。

また、鉄瓶は湿気を嫌うため、風通しの良い場所での保管が鉄則。鉄瓶の内側はもともとサビにくいように処理が施されています。使用後は軽くすすぐのみとし、こすったり洗剤の使用は避けましょう。

使い始めの1ヶ月が勝負!「湯垢」でサビ予防

これから鉄瓶を購入したり、未使用の鉄瓶が手元にある方は、使い始める前に「湯垢(ゆあか)」をつくることで錆び予防ができます。

湯垢とは、鉄瓶を使用しているうちに内側にできる白い膜のこと。この正体は硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの結晶です。使いはじめに湯垢をつけることで、鉄瓶の内部にできる赤サビを防止する効果があります。
「湯ならし」とも言われる「湯垢」は、使い始めの約1ヶ月が勝負とされていますが、普段のお手入れにもおすすめです。

湯垢のつくり方

1
鉄瓶を水でゆすぎ、水を入れる

水道水または硬水のミネラルウォーターなどを8分目くらいまで入れます。ミネラルの含有量が多い水の方が湯垢が付きやすくなるため、ミネラルウォーターを使用する場合は、「エビアン」などの硬水がおすすめです。

2
鉄瓶でお湯を沸かす

吹きこぼれないようにふたを取り、お湯を20分ほど沸騰させます。

3
お湯を鉄瓶からポットに移す

沸かしたお湯をポットに移し、鉄瓶を空にします。

4
ふたを外し、余熱や空焚きで内部を乾かす

空焚きで内部をしっかりと乾かします。これを1ヶ月ほど続けると湯垢がつくられていきます。

鉄瓶のお手入れに重曹はNG

鉄のフライパンの油汚れや焦げ付きを取るときに重曹を使用することがありますが、同じ鉄製だからという理由で鉄瓶に重曹を使うのはNGです。湯垢はアルカリ性に弱いため、鉄瓶をアルカリ性の重曹で洗うと、せっかくできた湯垢が落ちてしまうので注意しましょう。

鉄瓶の基本のお手入れは“毎日使うこと”

鉄瓶を錆びさせず、長持ちさせるための1番の俺入れ方法は、「毎日使うこと」です。使い続けることで湯垢がつくられ、錆びにくくなります。正しいお手入れを心がけながら、暮らしの道具として鉄瓶を“育てて”いきましょう。

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