包丁の正しい捨て方とは?ゴミとしての出し方や自治体ごとの処分方法

包丁は研ぐことで切れ味を維持できますが、いつかは必ず寿命がきます。では、その包丁をどう捨てるかというと?滅多にない機会だから迷いますよね。包丁に限らず刃物の取り扱いは慎重に行うべきであり、処分方法も定められています。今回は、包丁の適切な捨て方と、そもそも捨てるかどうかの判断基準を解説していきます。

包丁の捨て方には2パターンがある

刃の部分をむき出しのまま、適当にゴミ袋に入れてポイッしてませんよね?包丁は刃物です。適切な処置をしないまま捨てると、ゴミ回収業者が大怪我をしたり、近所の子どもが誤って取り出したりしてしまう可能性があります。考えただけでもゾッとしますね…。

そこで覚えておきたいのが、包丁の適切な捨て方。一般的に、包丁の捨て方は以下の2通りがあります。

・自治体にゴミとして出す
・不用品回収業者に引き取ってもらう

2つ目の「不用品回収業者に引き取ってもらう」はあまり経験がないかもしれませんが、電話で依頼すれば、自宅まできて査定・運搬をしてくれるサービスがあります。

他にも金属類などの不要な処分品があれば、併せて見積もりを依頼し、引き取ってもらうことを検討してみてもいいでしょう。

包丁を捨てるときのルールとは?

ここからは、自治体に包丁を回収してもらう方法や注意点を解説します。

捨て方の詳細は自治体ごとに異なります。まずは「包丁 捨て方 ○○(自治体名)」などと検索して調べるか、ゴミ捨て場所の掲示でルールを確認しましょう。不燃ゴミとして出すのか、金属ゴミになるのかなど、分別もそれぞれ指定されているので要注意

全国市町村で人口の多い自治体から横浜市、大阪市、名古屋市を調べてみましたところ、このような結果でした。

横浜市 小さな金属類 新聞紙等に包み品名を表示する。柄を含めずに30㎝以上のものは粗大ごみへ
大阪市 普通ごみ 厚紙などに包んで、「キケン」と表示して出す
名古屋市 不燃ごみ 丈夫な紙等に包み、「キケン」と表示

こうして3地域の捨て方をまとめると、共通しているのは「丈夫な紙で包丁を包み危険物とわかるように表示」ということになりますね。細かい部分は差異があれど、多くの市町村では基本的にはこのような指定になっているようです。

包丁の基本的な捨て方

それでは、実際に包丁を丈夫な紙で包む工程をやっていきましょう!ポイントは新聞紙を使うこと。

用意するもの

・新聞紙(見開き2~3枚)
・ガムテープ
・軍手
・ポリ袋
・油性ペン

手順

1
新聞紙の角を折る

まず、新聞紙を2つ折にした状態で、写真のように5cmほど角を折ります。

2
包丁を置く

写真のように、包丁を置きます。

このとき下の辺に注目し、先ほど折った後の残りの辺の半分の長さの位置に、包丁の刃の終点「あご」がくるようにします。刃先は、延長線が少し角から外れるように置きましょう。

3
包丁の刃に沿うように新聞紙を2回折り込む

先ほど包丁を置いた位置に沿って、新聞紙を2回折り込みます。この作業では必ず軍手をつけるようにしましょう。誤って手を切らないように細心の注意を払ってください。

4
刃先を柄の方向に向かって折り返す

刃先は鋭く新聞紙が破れやすいので、必ず厚くガードするようにしたいところ。きちんと折り返していきます。

5
残りの新聞紙をすべて巻きつける

ここまできたらあと少し!残りも手順3の繰り返しで、新聞紙で包丁をクルクルと巻いて包んでいきます。

巻き終わるとこんな感じです。

6
上部にガムテープを巻きつける

新聞紙をガムテープで留めていきます。刃先から真ん中まで、念のためしっかりと巻いておきましょう。

7
刃の終点部分の新聞紙を折り込む

刃の終点部分「あご」と柄の間の新聞紙にすき間ができていると思います。このままにしておくと包丁がスポンと抜けてしまうので、それを対策します。

8
手順7で折り込んだ部分をガムテープで留める

ここも取れないようにきっちりガムテープをグルグル巻きに。

9
ポリ袋に入れる

きちんとガムテープで固定できたら、そのまま透明なポリ袋に入れて封をします。

10
袋に必要事項を記入する

包丁を入れたポリ袋の表面に、目立つように大きく「刃物」「キケン」と油性ペンで記入してください。そして自治体の指定通りにゴミ収集場所に出しましょう。

他のゴミと一緒の袋に入れてもいいの?

他のゴミと一緒にしてしまうと、包丁が埋もれてどこにあるのかわからなくなってしまいそうで怖いですよね。こちらについても自治体によって異なり、他のゴミと一緒に出して大丈夫なところもあれば、包丁単体で出すよう指定があるところも。念には念を入れて、事前に自治体に問い合わせるなどして調べておきましょう。

包丁を捨てるときの判断基準は?

そもそも包丁はどのように見極めればいいのでしょうか。もしかしたらあなたの包丁、捨てなくても済むかもしれません!

切れ具合を調べるなら「トマト」

日頃からきちんと包丁のメンテナンスをしていますか?ここで言うメンテナンスとは、「使い終わったあとはよく洗って乾かす、そして研ぐ」こと。

どんなに高価な包丁でも、100円ショップの包丁でも、いつかは必ず切れ味が悪くなるもの。ちょっと切りづらくなったかな…?と思ったら、包丁を研ぐようにしましょう。

ちなみに、切れ味チェックが簡単にできる食材はトマト。切ったときに包丁がトマトの上を滑るばかりでうまくカットできないときは、包丁を研いだ方が良さそうです。

包丁を研いでも刃が尖らない

包丁の研ぎ方にはいくつかのパターンがあります。日本で長く一般的だったのは、砥石を使う方法。包丁を水で濡らしながら、斜めに刃をあてて研いでいきます。

もっと簡単なのがシャープナーを使う方法で、溝に刃を挟んで前後に引くだけ。レストランのシェフのように、スチール棒に刃先をあてて尖らせる方法もあります。

これらのやり方によって研ぐと、包丁の切れ味が改善するかもしれません。もしそれでも切れ味が戻らなかったら、包丁が寿命を迎えてしまったサイン。切れ味が悪いままだと、食材を「切る」というよりは「潰す」になってしまい、食感にも影響します。

刃が欠けてしまったとき

シンクの角にぶつけたり、カチカチの冷凍のお肉を解凍せずに切ろうとしてしまったりして、うっかり包丁の刃が欠けてしまうことがあります。こちらも修理に出すことができますが、目に見えて、食材を切っているときに違和感があるくらい大きく欠けてしまった場合は、無理せず新しいものを買った方がいいことも。

目安として、深さ5mm程度の刃こぼれであれば研ぎなおしができるのですが、それ以上の大きなダメージを負ってしまった場合はあきらめて廃棄しましょう。

持ち手が取れたときも寿命

持ち手が取れてしまった場合も「捨てどき」です。刃と持ち手の結合部分が錆びて、柄がグラグラしてきたら要注意!そのまま使い続けるのは危険です。修理にも出せますが、そもそも高級な包丁でなければ、新しいものに買い換えた方がかえって安上がりだったというオチもあり得ます。

包丁の捨て方についてのよくある疑問

基本の包丁の捨て方、よくわかりましたか?不安なく処分できるように、包丁の捨て方についてよく耳にする疑問をまとめてみました。ゴミ出しの前に、こちらも合わせてチェックしておきましょう。

「新聞紙やガムテープがない場合はどうすれば?」

最近は新聞を取っていない家庭も多いため、新聞紙がないこともあるでしょう。その場合は、厚紙や段ボールで代用してかまいません。

ガムテープの代わりはセロハンテープなどを使用しましょう。セロハンテープは段ボールに比べると強度が落ちるため、多めに丁寧に巻くようにしてください。

「砥石も一緒に出して良い?」

包丁を処分するタイミングで砥石も不処分したいというケースもあるかもしれません。

一見不燃ごみのような砥石ですが、自治体によっては、電動のものは粗大ごみ扱いだったり、砥石はすべて産業廃棄物扱いだったりするため、事前に確かめておきましょう。

「セラミックの包丁はどうすればいい?」

ここまでは一般的な金属製の包丁の捨て方を紹介してきましたが、セラミック包丁だと、どのように捨てたらいいのでしょうか。

セラミック包丁は、一見プラスチックのようなですが、実は陶器でできています。そのため、不燃ごみ扱いで捨てる自治体が多いようです。

セラミック包丁の捨て方は、金属製包丁と同じです。新聞紙とガムテープで安全な状態にしてから、中身を分かりやすく記入して出しましょう。こちらも、捨てる前に必ず自治体のホームページ等をチェックしてください。

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